先月、ブログやば〜いと消してる間に
彼と少し揉めた出来事があった。

きっかけは、彼のジムの送別会だった。

彼のジムには
学生や転勤族の常連さんも多く、
春にはこの街を離れる人がいるので
毎年2月の終わりから3月に送別会をしている。

「今年はコロナだからできないかと思ってたけど
なんとかできそうだわ」

2月の終わり頃だろうか、
彼が言ったので、
わたしは

「いいなー。わたしもコウくんと飲みにいきたい」

と言った。

「そうだね」

「いつ!?」

「いつ…?そうだなぁ、
来週は送別会があるしなぁ。

近いうちだな」

彼はそう言って、
具体的な日付は決まらなかった。

次の週は、
海外へ行く中学の同級生が
渡航前に遊びに来る約束をしていたので
彼にも顔を出せたら出してと声をかけていて、
二人きりのデートの約束は入れずにいたのだが
週末、娘が夫の家に泊まりに行くかもと言うので、
その日の夜に会える?と
彼に連絡した。



「送別会、その日になっちゃった…」

彼から、真っ青な顔文字とともに返事が来て
わたしの心はみるみる曇った。

なによ、

他の人となら飲みに行く予定を
さっさと具体的に決めるのに…。

もちろん頭ではわかっている。
送別会は、仕事の関係なのだし
比べられるものではないってことも。

だけどわたしのモヤモヤは
あっという間に加速して
一気にいろんな不満や我慢が出てきた。

LINEで妹にその話をすると

「え、みっちゃんと約束してたのに後から断られたの?」

と訊かれたので

「ううん」

と言うと

「それは仕方ないと思いますが…」

と返事が来た。

「でも、わたしとの飲みは
ちっとも具体的にならないし」

「今コロナだし、
そもそもコウくん普段は
誰とも飲みに行かないんでしょ。
コロナの前から。
やっぱり飲みにいくとなると
リスクも高くなるだろうし
普段からそんなに飲みに行かない人ならなおさらね」

えぇそうですよ、
とあまりの正論に、
わたしはやさぐれた。

毎日23時過ぎまで物を作ってる彼は
年に2,3回しか飲みに行かないと
言っていた。

「まぁそうだけど、
分かってるんだけど〜」

「いやいや、気持ちは分かるよ。
普通に飲みに行ったり
デートしたり
温泉に行ったり
普通のカップルがしていることをしたいし
それを常に我慢しないといけないのは
辛いと思う」

どうして妹はわかるんだろう。
そして妹にはこんなに簡単にわかることが
彼はわからないんだろう。

そこも含めて悶々とする。

「ただ、関係性もあるし
みっちゃんも顔出して独立して仕事してるわけだから
本当にバレて、仕事に支障きたしたら困るよ。
そんなことになったら
すごい後悔すると思う」

妹の言葉で
わたしは少しずつ冷静さを取り戻した。

「伝えたら?
少しストレス溜まってきたら、
最近また苦しくなってきたから
一緒に飲みに行く日をどこかで作って
って言ってみたら?」

「そうだね。」

「うんうん。
あまり我慢すれば
また前回のようになるし
そもそも我慢は無理だったわけだし
だから
苦しくなったら伝えて
分かってもらうのがいちばんかな」

「そうだよね、ありがとう。
今言った方がいいかなぁ
しばらく返事もしたくないんだけど(笑)」

わたしが言うと

「今言えばいいじゃん
最近また我慢疲れが溜まっておりまして
わたしもどこかで1日飲みに行きたいのです
助けてーーって」

妹のLINEに思わず吹き出し
わたしのモヤモヤは少し晴れてきた。

「ギャグに変えつつ
お願いすればいいわ」

わたしはそのとき、
おそらくもっと
ドロドロとした気持ちが溜まっていたのだけど

「分かるよ。
男って本当にわかんない男は本当そうだよね。
でも暗くドロドロするのはお互い嫌だよね」

と妹に言われてハッとした。

妹の言葉はいつもシンプルで
ストレートだ。

わたしは変に我慢したり推し量ったりして
拗らせておかしくなる。

今回も、
わたしとの約束は具体的にしないくせに
他の人とは簡単に決めて飲みにいくんだ、とか
どーせどーせ、とか
わたしなんか
みたいな気持ちになっていたけど
少し冷静になりつつ
わたしは彼にLINEした。

「えー
シクシク」

「わたしも最近また
我慢疲れが溜まってきたわ…」

彼からは数時間後、慌てたように返信が来た。

「明日か明後日少しでも会う?」

「友達が来る日でも良いよ」

小刻みなLINEに彼の慌てぶりが伺える。

「そういうことじゃないからいい」

「わたしだって飲みに連れてって欲しいって
言ってるのに〜」

わたしはそうLINEすると
ギャグが足りないな、と、慌てて

「みっちゃんどうでもいい」
「みっちゃん限界」

みたいな、ふざけたLINEスタンプを
ポン、ポン、と送った。

「飲みに行けそうなの何曜日?
今月だと」

彼からすぐにそう返事が来て、

でもわたしの心は晴れなかった。